経済政策 economic policy 2005 2 14

 多くの人は、極端から極端へと、考え方が変わるのです。
あれほど、隆盛を極めたケインズ政策が、今は、見る影もなくなっています。
 はたして、ケインズ政策が、誤りだったのか。
確かに、「不景気になった時、景気対策のために、
政府が借金をして、星の数ほどの公共事業を発注した結果、
日本は、巨大な借金国家になってしまった」という現状があるでしょう。
 それでも、ケインズ政策は誤りではなかったと言えます。
これは、ケインズ政策が失敗だったのではなく、「政府の失敗」だったのです。
 なぜか。
それは、赤字法人の問題があるからです。
 たとえば、日本経済が絶好調だったバブル経済の時でさえ、
課税法人は、52%だったのです。
つまり、バブル経済の時でも、課税法人は、半分しか、なかったのです。
 ここに、極めて重大な問題があるのです。
バブル経済の時は、どんな商売をしても、儲かりました。
そうすると、こんなに多くの赤字法人があるとは、おかしいでしょう。
 だから、景気がよくなっても、税収は増えないのです。
経済政策と税制改革をセットで実施しないと、意味がありません。
 抜け穴だらけの税制において、ケインズ政策を実施すれば、
国家財政が破綻するのは、当然です。
正しくは、ケインズ政策が誤りだったのではなく、税制が誤りだったのです。
 税制を骨抜きにし、抜け穴だらけの税制にしてしまった官僚、
いや正確には、業界から政治献金を受けて、税制を骨抜きにした政治家が悪いのです。
 しかし、今さら過去を振り返っても仕方ないことです。
将来、どうするかを考えるべきです。
 赤字法人が、税金を払うのは当然です。
赤字法人でも、道路や公共施設などの公共財を利用するでしょう。
 もちろん、道路や公共施設などの公共財を一切利用しないならば、
税金を払う必要はありません。
しかし、それは、あり得ないでしょう。
だから、黒字でも赤字でも、事業規模に応じて、税金を払うことは当然です。
 そもそも、「赤字サラリーマン」は、しっかり税金を払っているでしょう。
マイホームやマイカーのローン、あるいは、その他の借金を合わせれば、
「赤字サラリーマン」になる人は多いでしょう。
赤字法人が非課税ならば、当然、「赤字サラリーマン」も非課税でしょう。
 抜け穴のない税制を作れば、ケインズ政策も有効です。
 消費税も改正されたとはいえ、まだ抜け穴があると言えるでしょう。
真面目に消費税を払っている消費者のことを考えれば、
消費税の抜け穴を、もう少し改善すべきです。










































































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